知的障害児教育の実業高校をめざして、昭和44年度に開校した私立の8年制の特別支援学校です。

スクールライフ

2つの卒業旅行

中学部

土佐遍路卒業旅行(中学3年間の生活・体力・集団活動・学習のまとめ)

 中3の卒業旅行は、土佐遍路です。安田町の第27番札所神峯寺から土佐市の第35番清滝寺までの120kmを3泊4日で歩いています。
 入学以来3年間、学校と寮での規則正しい生活を通して、安定して健康な生活を送ることができるように努力してきました。また体育授業や強歩、マラソン、サイクリングなどの行事、早朝マラソンなどを通して、身体能力を養い育ててきました。この3年目を終えるといよいよ高等部入学であり、中3の卒業旅行は一つの区切りです。ここで、中学部時代に到達することを目指す身体や生活の目標の到達状況を総点検し、何ができ何が弱いのかを把握します。
 歩き遍路を実施することの意義は、山の上、丘の上、市街地、農村などさまざまな位置、地形にあるお寺を訪れることで、多様な歩き方を経験することができる。歩きながら実地について地域の産業、自然を知ることができる。遍路文化を知り体験する。ご接待への応え方や、お遍路さんへの挨拶などの社会体験をする。それぞれの寺院の由来を知り歴史に興味を持つようにします。

  1. 今まで培ってきた日常の基本的生活習慣、身辺処理能力を発揮し、使いこなし、自立して生活できるようにする。
  2. 心身のたくましさを養う。
    ・全力を出し切って、大変だと思われることを一つひとつ乗り越えていくことにこそ本当の喜びが生まれることを体験し、次への原動力にする。
    ・体力作りの成果をこの旅行で発揮するようにする。
    ・自主性、協調性、責任感、困難の克服、危機的場面における問題解決など人間形成をねらう。
  3. 社会性(公共交通機関の利用のマナー、公衆道徳に関した知識、態度、習慣、お金の利用、計算、手紙書きなど)を経験を通して身に付ける。
  4. 自分のことは自分でして仲間同士が助け合い、全体の仕事をすることによって責任感や思いやりの気持ちを育てる。
  5. 卒業旅行の道中の学習を通して、高知県、各市町村の地理を実地につき知る。訪問するそれぞれの寺院の歴史知り学習する。また、お遍路では四国遍路文化の学習をする。

高等部

宮古島トライアスロン卒業旅行とは?

 沖縄県宮古島は、トライアスロンで有名な島です。1985年に第1回大会が開かれて以来、毎年4月に実施される全国大会は、日本でも4つしかないロングディスタンスの大会の一つで、その中でも最も有名で人気のある大会です。現在は13時間30分以内に3kmを泳ぎ、157kmをサイクリングし、42.195kmを走り抜く過酷なレースです。

 本校では、高等部3年生の卒業旅行に、この宮古島でのトライアスロンを1990(平成2)年に始めて、以来25回以上を数えています。本来のトライアスロンはスイム・バイク・ランを1日ですませますが、私達のトライアスロンは1日に一つの競技を行い、3日間で3種目を完了します。コース及び距離は全日本トライアスロンのものと同じです。トライアスロンの各種目はそれ自身ハードで、それを3種目完走できた時の達成感はほかでは得られないものがあります。

 トライアスロンは、光の村の体作りの中核にある有酸素運動の集約です。光の村養護学校は、入学してくる生徒の多くが、十分な運動を出来ていないことを考慮し、基礎体力をつけ、体をバランスよく動かせる力(調整力)をつけることから始めます。朝は毎日ラニングに取り組み脳と体にスイッチをいれます。体育ではマット運動、跳び箱、平均台、縄跳び、自転車、など多様な運動をします。このほか強歩大会・登山・川下り・遠泳大会・体育祭・サイクリング大会・マラソンなどを徐々にレベルを上げながら続けます。これらの運動を通して、筋力、筋持久力の強化と、心肺機能の強化が図られます。それによって、疲れにくい、ケガをしにくい、ケガをしても回復の早い体になります。運動により食欲も増進し、消化器官が改善されます。悪い生活習慣は老化を早めますが、健康のための運動を伴った良い生活習慣は若々しさを保ちます。知能の発達にも効果があります。バランスの良い発達した身体になります。

 このような体作りとその中核にある有酸素運動の総決算として高3の宮古島トライアスロンがあります。
 宮古島で障害者支援をしておられた方々と高知の光の村の創立者西谷先生との交流と、深いつながりがあったことが宮古島を選ばせました。そして宮古島の方々からの支援と声援は年を経るにつれて広がってきました。

 光の村に入学すると、教師も生徒も親も、このトライアスロンが大きな到達目標になり、一つ一つの課題に挑戦する学習が始まります。3年ないし6年の歳月が、入学時とは質の変わった人間を作り上げます。それがトライアスロンへの挑戦を可能とするのです。宮古島でのトライアスロンは一つの到達点であると同時に新しい長い人生のトライアスロンのはじまりでもあります。

宮古島卒業旅行の目標
  • 学校教育の目標が卒業期の一人一人にどう実っているかを確かめる。

  • 自分の目標を一つ一つ達成し、その成就感、喜び、自信を卒業後の生活にいかす。

  • 宮古島は1日の内でも時間と地域で天気が変動します。また特に橋の上では強風に会うこともあります。橋を往復すると、風はある時は追い風でも次には逆風になります。どんな困難な場面でも、その状況に適応し、我慢強く耐え抜く気力が必要です。バイクでは、雨に濡れた鉄板の上は滑りやすいし、強風の中では一瞬の気の緩みも転倒につながります。常に注意が欠かせません。状況に対応するために全感覚を鋭敏にし、集中力と瞬発力を向上させることが必要です。

  • 宿泊所や乗り物等の公共の場所では自分の安全はもちろん他人に迷惑をかけないようにし、確かな生活をするように努力する。これは社会人としての基礎固めとなります。
  • 宮古島では多くの方々のお世話になります。
    市役所へ表敬訪問をし、お礼を述べ、和太鼓の演奏をきいていただきます。
  • 宮古特別支援学校を訪問し、同年代の生徒達と交流を深める。エイサー等の沖縄の伝統芸能に触れます。
  • 遠い南の島へ各種の乗り物を利用して往復し、また宮古島や沖縄の観光施設や歴史的な場所の訪問を通じて、日本の地理や歴史について学びます。
  • 競技への参加を通じて知的障害児者の社会参加、その可能性についてアピールします。