知的障害児教育の実業高校をめざして、昭和44年度に開校した私立の8年制の特別支援学校です。

学校案内

高等部

1.高等部教育の基本的な立場

 専攻科はありますが、高等部は社会に直結する学部であるという心構えで教育を進めています。
 中学部の教育を深化発達させ、能力に応じて就職(就労)し、家庭生活でも自立することをめざして徹底した指導を行います。この時期は成人への移行期です。誕生以来の運動不足の集積が、早期の老化の現象の引き金になるため、筋力的にハードな運動も可能になるこの時期に、徹底した体育を行い、就労能力を高め、老化現象を遠ざけ、健康を守る習慣を確立していきます。

2.高等部の教育目標

1.基本的な生活習慣を確立し、家庭生活でも自立できる素地を育てる

 人間が人間として生きる生活の仕方を徹底して指導します。小学部・中学部の 段階で形成してきた日常生活の習慣を、より確かなものにしていくと共に、 金銭の取り扱い、家事処理の能力等難度の高い分野の習慣化にも努めていきます。

2.就労能力を高め、就職をめざす

 物事に集中する力をつけ、こつこつとどこまでもやり遂げる持続力を育てます。
 明るく素直に人と応対できる力をつけ、徹底した作業教育を軸に、全教科・全生活指導の中で目的を達成するための指導を積み上げていきます。

3.健康で長生きをする体作り、健康を守る習慣を確立する

 「より強く、よりたくましく、より柔軟で、より機敏で器用な体つくりの教育」を徹底して行います。乳幼児期から背負わされた運動不足による様々な身体上の問題を解消し、体質を改善し、就労能力を向上させ、老化を遠ざけ、運動の習慣を確立して健康で長生きをする明るい人生を創っていきます。

4.心身の調和のとれた健全な社会人を育てる

 特性と発達に応じた適切な教育を行い、個々の能力を最高度に発揮させることにより、心身の調和のとれた健全な社会人として育てます。

3.高等部の教育内容

 高等部においては、一人ももれなく就職(福祉就労も含む)をさせること、 家庭生活においても可能な限り自立させること、社会生活を営むためのミニマ ムエッセンシャルズな力を身につけること、そして健康で長生きをし、良い働 きを続けることのできる体作りと、自分の健康は自分で守る意欲と習慣を確立 することを柱にする教育を組織して徹底した指導を行います。

1.教科・領域に合わせた指導

(1)作業教育

  1. 集中力と持続力を養うための基礎作業
    土木・建設、土木作業的な農耕のような生徒の心と体にずっしりとこたえるだけの質と量をもった大筋作業を長期にわたって連続して行い、力の集中、気力の集中、注意力の集中の訓練と、持続力を徹底して訓練することで、人間のバックボーンを育てます。
  2. 技能訓練から技術教育への専門作業
    「基礎作業」に合わせて、「専門作業」として訓練から技術教育へと進める作業を行います。実習場は鉄工・木工・紙器・自動車・製菓・製パン工場があり、順次性、系統性によって分類、配列された教材を確かにこなすことで、技能向上をめざします。技能訓練は、大脳を活性化する有効な刺激に富んでいます。
  3. 一般の職場と同質の校内実習
    特に紙器・製菓・製パンは、一般の職場と同質の実習場として組織しています。そのために、製造計画・製造、販売計画・販売までプロ並みの仕事場としての体質を整え、品質も勿論プロ並みでなくてはなりません。
  4. 現場実習
    充実した校内実習を積み重ね、家庭学校中の親と共にする職場実習、学校から出る現場実習と進み、最終段階の就職を前提とする現場実習を行って就職に至る道を開きます。

(2)生活指導

 中学部から始まった衣食住に関する自立の技能をマスターし、家庭生活で自立し、更に進んでアパートでも自立するだけの生活力、職場及び近隣社会で自立する力も育てていきます。

(3)単元指導

 強歩大会、夏期合宿、遠泳大会、体育祭、卒業旅行、サイクリング大会、各種マラソン大会等のイベント学習以外に、学級単位での生活単元学習を計画し、指導します。

(4)言語指導

 はっきり、正しく発音する。音声は出なくても頭の中でことばをはっきり確かめながら、口形だけは正確にきめる。こうしたことばの基礎を徹底して正しい日本語を使う能力を高めます。次は相手に正しく向きあって明るく、にこやかにあいさつをする、明確な返事をする、更に日常の生活的なこと、実習中での用件など、実生活の中で必要なことを正しく受け答えする能力と態度を確かに身につけます。
 現場実習に出るようになれば、必要な現場での用語、ことばのやり取り、交通機関の利用、買い物等の社会生活用語の学習も行います。

2.教科別・領域別の指導

(1)作業教育

 誕生以来の運動不足による筋肉の発達の遅れと、過保護によるあなたまかせの無気力な生活が、外見上は姿勢の悪さを作り、生理的には心肺機能を弱体化しています。筋肉はふやけたように弱いにもかかわらず、関節という関節は全部固く動きが鈍くぎこちない生徒が多いです。少し無理をすると間接や靭帯、筋肉が痛んでしまいます。体を根本から作り直すために、段階的に時間をかけて長距離を歩く、走る、泳ぐ、乗る力を伸ばし、肋木その他で矯正・治療指導を行い(必要に応じて理学療法的指導も取り上げる。)、器械体操を中心に、筋力、柔軟性、調整力、巧緻性を高め、三層構造の体育を組織します。(マクロ領域…有酸素運動、大自然での活動、ミドル領域…一般の学校体育、ミクロ領域…矯正・治療体操)

(2)情操教育

 和太鼓を教材として取り入れることにより集中力、全身の柔軟性、しなやかさを培い、持久力を高めるという体作りの面と、社会性の乏しい子供たちが多くの人々の面前で演奏することにより社会参加の場を広げ、自主性を深め情緒を安定させるという精神面を養います。
 歌や楽器を楽しむ、絵を描く、版画を彫る、彫塑をする、こうした美しさを楽しみ、創造する学習活動も取り上げることによって、訓練に明け暮れる子供たちの心に潤いを与えていきます。

(3)家庭科(調理)

 食生活に関する技能は、自立した生活を送るために最も基本的には重要で必要性が高いです。卒業して社会に出るまでには、「自分の食べるものは、自分で作れるようになる。」ということを究極のねらいとしていきます。献立から買い物、調理、後片付けにいたる調理学習はその場その場で正しい知識、的確な判断、確かな技能が要求される総合学習です。定着させるためには、「繰り返し経験させる」ことが大事で、現場実習の弁当作りだけでなく、個人調理への準備段階として

  1. 各学年別に最低必要な調理の課題を用意し、最高学年では自力で食生活ができるような指導を積み上げていきます。
  2. 学年別に発展的な買い物学習からの計画を立て、家庭と協力して指導を進めることとしていきます。
  3. 簡易な保存食作り、加工食品つくりを学年別に計画をし、指導します。
  4. 簡易な家庭菜園作りの指導をします。

等を計画的に、また着実に指導する。