知的障害児教育の実業高校をめざして、昭和44年度に開校した私立の8年制の特別支援学校です。

教育の特長

作業教育(手の質を変える)

紙器実習

 紙箱実習から光の村の教育は始まりました。光の村紙器実習場は光の村開校以来続いている実習場です。指先の巧緻性を高めるという目的から、「摘まむ」「押さえる」「摩る」などの作業中の動作を通して、力加減・感覚・細かな動きなど、生徒それぞれの課題の克服に取り組んできました。
 光の村紙器実習場では年間約70,000箱を製造しており、県内では一番の製造数です。しかし、全生徒がその作業に関わることができるかと言えばそうではなく、手順が複雑化してきていることにより、紙器工場での実習がレベルの高い物に変わってきているため、以前のような誰でもが取り組める作業という物ではなくなりつつあります。どの生徒にもそれぞれに合った作業を提供することができるかが今後の一番の課題です。また、どんなに製造に追われていても生徒一人一人の成長を感じることができるような実習工場を作っていきたいと考えています。
 作業には、より高い正確さが要求され、流れ作業では周りの状況をみて作業を進めることも必要となります。また、発注業者への配達作業もあり、同行することで自分たちの実習で作った製品の流通を知ることができる絶好の機会となります。

製菓・せんべい・製パン

 長年研究を重ね、本格的な一級品を目指したこだわりの光の村のパンやせんべい、和洋菓子は、毎日移動販売車で販売され、県民に広く知られるようになっています。それらは南風堂とよばれる実習場で作られています。専門の教員や技術指導員の指導を受けて、生徒達が実習として心を込めて製造しています。
 パン作りには「正しい計量、正しい温度、正しい時間」という3つの原則があり、正確さ、機敏さ、細かい配慮などが要求されます。パン製造は科学であり化学でもあり、本格的な理解は困難を伴いますが、作業には経験により習得できるものがあります。更に、食品を扱うので衛生観念が必要です。製菓でも、計量のための数量を理解する力、製品に仕上げるための集中力やセンス、時間に関する理解などの能力が必要になります。せんべい作業は、機械の動きに合わせての作業があり、それに対する集中力や、的確な処理能力が要求されます。すべてにおいて袋詰めや、パック詰めの作業があり、柔軟な指使い、集中力、数の観念が必要とされます。
  このような課題にそれぞれの力に応じて取り組ませ、習熟させています。また課題をこなせるように、工作物加工の治具にあたる、指示、誘導の道具を考案し利用しています。これらの作業は全て集団での作業であり、教師からの指示の復唱、報告、質問などの力を養い育てることが必要になります。
 この実習場にも、知的障害者も「教育によって一級品が作れる」という信念が生きています。

光の村南風堂 商品のご紹介(pdf)

文旦実習

 文旦栽培・農耕に関する基礎的な技能・技術を実習を行います。
 光の村の文旦栽培は、人と環境にやさしく有機・無農薬栽培で行っています。学園のある土佐市は土佐文旦の一大産地で、貴重な名産品です。文旦栽培の作業は、剪定、施肥、交配(人工授粉)、下草刈り、摘果、収穫、野囲い(貯蔵)、水洗い、出荷等に加え、果樹園の維持・管理の仕事も行います。鎌の使い方もだんだん上手になり、収穫では、手近な実は採果バサミで、高い所の実は枝切りバサミを使い収穫します。ハサミの使い方も習熟します。また文旦園は、急斜面にあるため、そこへの上り下りは体力作りともなっています。

竹割り箸製造実習 ~土佐(地元)の竹を使って~

1.はじめに(光の村割り箸実習について)

 全国各地で、山の荒廃が報告されており、自然の多い高知県でも同様です。手入れされていない山には竹がどんどん広がっており、光の村の近郊でもそのような状況が見られます。
 光の村では20年程前から、地域の方の協力を得て、山を生かす取組みを始めました。学校と更生施設が協力して竹を何とか製品にと考え、竹炭の製造に挑戦しました。次に取り組んだのは木材伐採で批判を浴びた割り箸で、竹ならどんどん生えて、批判どころか山を竹から守る活動として生かせると考え、特産地まで訪問し色々と研究を重ねました。
 光の村創立者(西谷英雄)は、高知の山を守りたいとの強い意志で、竹割り箸製造に強い意欲を持って研究を進めました。更生施設で取り組まれてきた割り箸実習を学校が引き継ぎ、十年近く経ち、その間、担当者も替わりました。担当者の経験・知識・技量不足による試行錯誤も続いていますが、定期的・継続的に販売は行っています。

2.生徒を中心とした作業

  割り箸実習は、少人数で行っていることもあり、毎日同じ作業を繰り返すのではなく、竹を山に取りに行くことから始めます。機械を使用する場面もいくつかありますが、手作業に頼る面も多くあり、子どもたちが作業の中心を担っています。

【割り箸の製造工程】

①竹切り
割り箸に適した竹(生育3年程、節間23cm以上)を切り出す。
一本ずつ竹を肩に担いで、山から運び出す。
②横切り
切り出した竹を22~23cmの長さに玉切りする。
③半割り
切り出した竹を22~23cmの長さに玉切りする。
④押し出し
半割りした竹を「押し出し」の機械にかけて、箸材を作る。
厚さ5.5-6.0mm、幅13.5-14.0mmに合わせる。
⑤乾燥
箸材を乾燥用の網に並べて、乾燥室に入れる。数日間乾燥させる。
網に並べる時、適切な間隔を開け、できるだけたくさん並べるようにする。
⑥切り揃え
乾燥した箸材を「成型機」に通せる適切な長さ(21cm)に切り揃える。
⑦成型
箸材を成型機に通し、割り箸の形になって出てきた物を方向を揃えて取る。
幅の広い方→12.5-13.5mm、細い方→7.5-8.5mmに合わせ、角が同じように取れるように刃を調整する。
⑧天削り
割り箸の天を削り、元禄箸にする。
⑨竹クズ取り
割れ目についている竹クズを、千枚通しを使って取り除く。
⑩研磨
割り箸を缶の中に交互に入れ、割り箸同士がこすれる事によって研磨する。
⑪割り箸磨き
研磨後の割り箸をサンドペーパーで磨く。
⑫点検
不具合のある箸を見つけて、選別する。
⑬箸袋作り
型紙に合わせて切った箸袋に線を引いたり、糊付けして箸袋にする。
⑭袋づめ
最終的に、商品の形にする作業。
販売用→6色×2本ずつの12本セット
3.おわりに

 竹割り箸の多くは、中国産で単価も安く。実際に生業として収支を賄っていくことは難しいです。
 また、生徒の実習工場という面から、一企業のように大量生産することはできませんが、材料の切り出し(運搬)から仕上げ(袋詰め)まで、化学的な薬品類を一切使わず、作り出していく事は、作業学習として、とても意義があると考え、取り組んでいます。

木工実習

 木工工芸に関する基礎的な技能・技術の教育を行います。

製材

 帯鋸や丸鋸などを使った作業は教員が行い、生徒は補助的な作業を行います。

製品作り

 電動糸鋸作業には、初歩的なものから取り組み、集中力や、指先の細かな動きの習熟に努めています。初級の作品としては葉っぱの形のマグネットがあります。
 電動糸鋸は小学生でも自由に使いこなせる安全な工具です。その作業には目と手の協応動作が要求され、切っている最中は刃の動きと切ろうとする線から目が離せません。あわてると刃が折れます。そして、最初何でもない板がまるで別の形に変わります。集中力を養え、興味深い作業です。手を使いながら、目で追いながら、出来上がりを想像しながら作業をするのです。上級になってくると、干支の動物組み木や鳴子なども作ります。
 手間のかかる研磨作業は根気のいる作業ですが、続ける中で、正確さやスピードが上がります。磨いていると思わぬ木目の効果が現れたりします。作品に命を吹き込む作業です。ベルトサンダーを使えると能率があがります。
 作品は販売しますので、売れる喜びを生徒と共に味わうことが関心を高めます。